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13. 大麻と他の薬物との比較

1995年に大麻に関する現在の知識のレビューを準備した専門家のグループは、大麻の健康への影響と、アルコールやタバコやあへん剤などのさまざまな合法、非合法なドラッグの精神活性の効果や健康への危険性について知られていることを比較するのを試みたセクションを草案に含んでいた。

しかしながら、そのような比較の信頼性と公衆の健康の意義は疑わしい。 1つのドラッグのユーザは他の1つ以上のドラッグのユーザであるだろうし、使用が結合されることのリスクは必ずしも同等、もしくは、個々のドラッグの使用のリスクと関連して考えられたものの合計であるというわけでもない。 そのうえ、どんなドラッグの使用に関わる危険も、共同体の中での薬物使用の社会的、文化的背景、政治的、経済的背景、様々な精神活性物質の入手可能性、調薬と服用量、投与の経路、使用の頻度、および関連したライフスタイルなどのような要素によって強く影響を及ぼされる。 大麻使用の量的なリスクは信頼できる疫学的研究がないために大部分が不明であり、したがって、そのような比較は科学的であるというよりは思弁的である傾向がある。

さらに、多年にわたって定期的に大麻を使用する人口の割合が、現在アルコールまたはタバコを使用する割合と比較してはるかに少なく、公衆の健康の危険の大きさは、純粋にそのような露見した理由に基づくため、アルコールまたはタバコによってポーズをとられたそれより低い傾向がある。 しかしながら、また、ほとんどの大麻使用者が他のドラッグを使用すると強調しなければならない。 複数の薬物使用のリスクが相加的であるという見込みを否認する演繹的な理由は全くない。 公衆の健康の観点から、したがって、大麻を含む、すべての薬物の使用から生じる総体的ななリスクを評価するのは、より役に立つかもしれない。

さらに、発展途上の社会における大麻使用の公衆の健康への意義は、調査の不足のために、実際にはアルコールとタバコの危険より充分に理解されていない。 これらの人口における、精神活性物質使用の影響の比較の正当性は限られている。

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