井の中の蛙大海を知らず 投稿者:野中 投稿日:2008/09/06(Sat) 14:51 No.3775 [返信]
| ヨーロッパにおける大麻に関する規制の現状と傾向
EMCDDA(欧州薬物・薬物中毒監視センター)によって、2008年6月に発表された研究書には、’大麻の有害性はアルコールやタバコより低く、タバコとアルコールは非常に規制が低い一方で、大麻に関する規制はあまりにも厳しすぎるということは明白である’と結論付ける論文や’大麻は無害な物質ではないが危険性は誇張されており、個人的な使用罪は、刑事制裁を必要としない。’と結論付ける論文が掲載されている。ヨーロッパでは、このような最新の知見を反映して、少量の大麻使用を有罪とする措置は社会全体に対してより大きな害をもたらすという信念に基づき、周囲の状況を悪化させることの無い少量の個人使用目的の大麻の所持や使用に対する刑事罰の代替処置の開発において共通の傾向が見られる。罰金、注意、執行猶予、刑罰の免除やカウンセリングが大部分のヨーロッパの司法制度に支持されている。
個人使用目的の大麻所持に対して適用されうる措置
ベルギー:記録のみ。刑罰は、初犯75–125ユーロ;2回目(同年の再犯)130–250ユーロ;3回目(同年の2回目の再犯)250–500ユーロ及び8日から1ヵ月までの拘留。
デンマーク:10gまでの初犯:罰金;10g以上:罰金;2回目の再犯:0–10 g:罰金40ユーロ;10–15 g:罰金67ユーロ;50–100 g:罰金135ユーロ
ドイツ:積極的な警察の捜査は行われない;訴訟の取り下げ(6–30 g)
ギリシャ:(法廷における)刑罰の罰金への転換;訴訟の差し止めあるいは取り下げ。
スペイン:(公共の場所における使用)違反は罰金301–30 000 ユーロあるいは運転免許の停止。
フランス:逮捕される可能性が高い(24時間の拘留の見込み、24時間延長できる)。
アイルランド:最初の2回の違反に対して罰金が課される。初犯、罰金63ユーロ、2回目の違反、罰金127ユーロ;3回目の違反から拘留の可能性がある:最高1年の拘留及び/または罰金317ユーロ。
イタリア:初犯:訴訟の取り下げ;それ以降の違反:最高3ヶ月の運転免許の停止及び強制的な治癒的評価。
ルクセンブルグ:違反は罰金250−2500ユーロによって処罰される。
オランダ:警察は個人使用目的の所持を捜査せず、それはコーヒーショップにおいて一定の条件を前提として許容される。
オーストリア:初犯:警察による捜査と執行猶予(2年);それ以降の違反:強制的な治癒的な評価。
ポルトガル:個々のの定量による平均の10日分:警察による捜査と行政権の照会。執行猶予による処罰の停止。;再犯に対しては罰金又はその他の処罰。
スウェーデン:警察による捜査と起訴。軽微な違反については(まれに)訴訟の取り下げ。
フィンランド:警察による捜査と起訴。まれに訴訟の取り下げ。
イギリス:警察による警告
参照文献 A cannabis reader: global issues and local experiences EMCDDA, Lisbon, June 2008/Volume 1/Part II/Chapter 7: Cannabis control in Europe Danilo Ballotta, Henri Bergeron and Brendan Hughes http://www.emcdda.europa.eu/publications/monographs/cannabis Illicit drug use in the EU: legislative approaches (11/2/2005)/Annex 2/Table 2: Hypotheses on practice in relation to drug possession (for personal use, small quantities without aggravating circumstances) http://eldd.emcdda.europa.eu/html.cfm/index10079EN.html Taku博士の薬物政策論稿 >「大麻所持」の国際比較:ヨーロッパ編 http://asayake.jp/modules/report/index.php?page=article&storyid=601
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